著者校正とは?ゲラの確認方法と修正指示のまとめ方

著者がゲラを赤ペンで確認し、修正箇所に付箋を付けているイラスト 記事

先に結論:著者校正は、編集・組版後のゲラを著者が確認し、内容の誤りや意図と異なる箇所を出版社へ伝える工程です。本文全体を書き直すのではなく、事実・固有名詞・数字・引用・図版と、必要な文章修正を優先順位を付けて指示します。

原稿の編集や校正の進め方を整理したい方へ

完成原稿だけでなく、校正の段階や出版社とのやりとりに迷う場合も、今の状態から相談できます。

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著者がゲラを赤ペンで確認し修正箇所に付箋を付けているイラスト
著者校正では、ゲラの誤りと意図しない変更を見つけ、修正箇所を明確に指示します。
01全ページを読む
02誤りを分類
03修正を明記
04反映を確認

著者校正で確認するもの

ゲラは、原稿を本のページとして組んだ後に確認する紙面またはデータです。著者校正では、文字の誤りだけでなく、事実関係、固有名詞、数字、引用、図表、写真のキャプション、著者が意図した意味が組版や編集で変わっていないかを読みます。文章のすべてを一から書き換える作業ではなく、出版物として誤りを減らし、必要な修正を伝える工程です。

ゲラの校正回数や著者が確認できる範囲は出版社や制作工程で異なります。初校で大幅な変更をすると、再組版や追加確認が必要になることもあります。届いた案内に校正期限、修正方法、ページ番号の指示、修正できる範囲が記載されていれば、作業に入る前に確認しましょう。疑問があれば、担当編集者へ期限内に質問します。

原稿の推敲・編集と著者校正を区別する

原稿の推敲や編集は、ゲラになる前に文章の構成、表現、重複、読者への伝わり方などを整える作業です。校正は、印刷や配信に近い形になったゲラの誤りを見つけ、修正を反映させる工程です。どこまで著者が直せるか、構成変更を受け付けるかは、出版社との取り決めや作業段階によって異なります。

「校正」という言葉が、誤字脱字だけを意味するのか、著者による事実確認や表現修正も含むのか、制作チームごとに運用差があります。出版社から届いた校正指示書に従い、迷った場合は「この段階で文章の書き換えは可能か」「事実の訂正はどう示すか」と質問します。作業範囲を自己判断せず、担当者との合意を優先してください。

一度目は、直さずに通読して構造をつかむ

ゲラが届いたら、最初の読みでは細かな修正を始めず、ページ全体の流れを確認します。章の順序、見出し、図版の位置、段落の欠落、ページの抜けや重複、本文と目次の不一致など、大きな問題を先に見つけます。紙の場合はページ番号を確認し、PDFの場合は画面だけでなく、可能なら見開きや実寸表示でも見ます。

続けて読む際に確認したい箇所へ付箋やコメントを残し、後から修正種類ごとに整理します。最初から赤字を大量に入れると、同じ箇所を二重に指示したり、前後の文脈を見落としたりしやすくなります。特に図版や表の位置は、本文の説明と離れていないか、キャプションが正しいか、紙面上で欠けていないかを合わせて確認します。

修正箇所は、位置と変更内容が分かるように示す

紙のゲラでは、ページ番号と行、段落や該当箇所が分かるように指示します。修正前の文字が分かる範囲で線を引き、余白に修正後の文言を書きます。置換、削除、追加の違いが明確な指示にし、どの文字をどこへ移すのか曖昧にならないようにします。出版社独自の校正記号や用紙ルールが配られている場合は、それを使います。

PDFやオンライン校正ツールでは、指定されたコメント機能や変更履歴を使います。別ファイルで修正リストを渡す場合は、ページ番号、元の表記、修正案、理由を一項目ずつ記載します。本文をWordで直して送り返す方式か、PDFへコメントする方式かは出版社によって異なるため、勝手に形式を変更せず、担当者へ確認してください。

指示を書いた後は、依頼内容が「ここを直す」だけでなく、修正後の意味まで伝えているかを見ます。たとえば数字の修正なら出典や正しい単位を添え、表現を変えるなら置き換える文を明記します。複数案があるときは、希望案と判断を編集者に委ねたい案を区別し、確認が必要な質問はコメントの末尾にまとめます。

Nolaでの推敲と、出版前のゲラ確認は別工程です

本文の誤字や表現の見直しをまとめた記事はNola原稿の推敲・校正の進め方で解説しています。

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誤りの種類で優先順位を付ける

優先して確認するのは、読者に誤情報を伝える事実の誤り、固有名詞の表記、数字や単位、引用や権利関係、本文の意味を逆転させる誤植です。次に、文意を損ねる言い回し、人物設定や時系列の矛盾、図表やキャプションの不整合を見ます。好みだけの表現変更は、時間と組版への影響を考えて優先順位を決めます。

修正が多くなったら、表計算やメモで「場所」「現状」「修正案」「理由」「重要度」を一覧にします。同じ表記ゆれを全体で統一するときは、該当語の検索結果も確認します。ただし、文章全体の書き直しを大量に追加すると、校正工程の範囲を超える可能性があります。大幅変更が必要なら、制作スケジュールと追加作業の扱いを編集者に相談してください。

事実・固有名詞・数字を重点的に見る

固有名詞は人名、地名、団体名、商品名、作品名などを資料と照合します。旧字体・異体字・英字表記の大文字小文字、全角半角、肩書きや所属の最新情報も確認します。複数箇所に出る名前は、最初の表記を基準に検索し、一冊の中で不統一が残っていないかを見ます。

数字は金額、日付、年齢、割合、統計値、ページ参照、脚注番号、単位を確認します。引用やデータは、原資料と掲載許諾を確認し、数字だけを直して説明との整合が崩れていないかも見ます。オンラインの情報を使っている場合は、その情報が刊行時点でも正しいか、出典を編集者と共有できるかを考えます。最新の制度・料金など、変更が起こる情報は、執筆時点と刊行時点を区別します。

分類 具体例 対応の考え方
必ず確認 事実、数字、固有名詞、引用、権利、意味の逆転 出典や正しい表記を添えて明確に指示
紙面上の問題 抜け、重複、図版位置、目次・ページ番号 ページと該当箇所を示して修正依頼
表記統一 漢字・送り仮名・全半角・用語の揺れ 基準を一つ決め、全体を検索して確認
表現の調整 読みやすさ、口調、文章のリズム 意味と優先度を伝え、期限・工程を相談
大幅な変更 段落追加、構成変更、複数ページの書き換え 作業範囲・再組版・スケジュールへの影響を相談

著者が見落としやすい紙面上の確認

紙面では、章の冒頭の見出しが欠けていないか、写真や図版が本文の説明に合う場所へ置かれているか、キャプションが正しいか、本文がページ端で切れていないかを確認します。図表の凡例や注記が小さすぎないか、色の違いだけに意味を頼っていないかも見ます。スマートフォンや電子版も刊行する場合、紙のゲラだけで全ての表示を確認できるわけではありません。

目次の章題やページ番号、見出しの階層、柱、ノンブル、奥付の書名・著者名・発行日など、本文以外もチェックします。索引や参考文献がある場合は、本文の引用先との対応を確認します。装丁や帯の文章を著者が確認する工程があるかは制作体制によって異なるので、ゲラ以外の確認物と提出期限をあらかじめ聞いてください。

小説のゲラは設定・時系列・視点を照合する

小説では、人物の呼び名、年齢、服装、持ち物、場所の移動、時間経過、過去の出来事の設定が場面をまたいで一致しているか確認します。視点人物が知り得ない情報を説明していないか、台詞の話者が分かるか、伏線として置いた情報が削られていないかも見ます。読者が迷いそうな箇所を見つけたら、該当ページと前後の流れを示して相談します。

地名や歴史的事実など現実の情報を使う作品は、事実と創作を分けて確認します。作中の設定として意図的に現実と異なる場合は、単純な誤りと混同されないよう、編集者と表現方法を相談します。人物の口調を一律に整えすぎると、個性が失われる場合があります。誤植修正と意図的な表現の判断を分けて指示してください。

修正一覧の記入例

ページ・段落/現在の表記/修正案/理由/重要度、の順に書きます。例:「p.18・第2段落/2024年4月/2024年5月/本文で参照する統計の公開年月に合わせる/必須」。固有名詞や数字は根拠資料も添えます。

修正の反映を再確認し、校了の範囲を明らかにする

修正を返した後は、可能であれば反映後の再ゲラを確認します。依頼した修正が正しく反映されたか、別の誤植が生じていないか、文の前後が不自然になっていないかを見ます。修正一覧にチェック欄を作り、反映済み・未反映・要相談を記録すると、双方の認識を合わせやすくなります。

再確認の期限と、どの段階で校了とするかは出版社へ確認します。校了後は、印刷・配信に向けて変更できる範囲が限られる場合があります。校了の連絡を出す前に、未解決の重大な修正がないか、タイトル・著者名・発行情報・図版の権利などを最終確認しましょう。期限に間に合わない見込みが出たら、黙って提出を遅らせず、早めに担当者へ相談します。

ゲラ校正を始める前に編集者へ聞くこと

最初に確認するのは、提出期限、校正できる回数、修正の返し方、文章の大幅変更を相談できる期限、疑問点の問い合わせ先です。修正指示の例や校正記号の説明があれば受け取り、初めての人は見本の一箇所をどう記入するか確認します。誤りを見つけたときに、著者が直接修正してよいのか、編集者へ相談してから決めるのかも聞きます。

校正のために原稿や未発表情報を外部のサービスへアップロードする場合は、機密情報の扱い、保存期間、閲覧者、利用規約を確認します。出版社から許可されていないツールへゲラを送らないようにし、個人情報や第三者の資料が含まれるときは共有範囲に注意してください。ファイルにコメントや変更履歴が残る場合は、提出前に意図しない情報が含まれていないか確かめます。

校正に入る前の準備と相談

著者校正は、刊行直前に全ての文章を磨き直す時間ではありません。原稿を提出する前から、固有名詞一覧、表記ルール、出典、図版の出所、確認が必要な数字をまとめておくと、ゲラ到着後の確認が進めやすくなります。小説なら登場人物表や時系列表、実用書なら出典一覧や手順の確認表が役立ちます。

浜松出版のNola原稿の推敲・校正記事は原稿段階の見直しを扱い、ゲラ校正とは確認するものが異なります。出版相談の事前準備は相談前の質問・資料の整理方法も参考になります。今どの工程にいるかを整理し、出版社との次のやり取りを考えてください。

公開前に使えるチェックリスト

  • 校正期限・提出方法・問い合わせ先を確認した
  • 最初に通読し、ページ抜けや構成上の問題を見た
  • 固有名詞・数字・事実・引用・図版の出所を確認した
  • 修正箇所と修正案が一対一で分かるように記した
  • 誤りの修正と好みの表現変更を区別した
  • 修正反映後の再ゲラで重要箇所を照合した
  • 校了の範囲と最終期限を担当者と確認した

よくある質問

著者校正では文章を書き換えてもよいですか?

可能な範囲は制作工程や出版社との合意によって異なります。誤植や事実訂正と大幅な書き換えを分け、担当編集者に確認してください。

著者校正は何回できますか?

回数は出版社や契約、制作スケジュールによって異なります。ゲラが届いたときに確認期限と返却回数を確かめましょう。

紙のゲラとPDFでは確認方法が違いますか?

基本の確認項目は共通ですが、修正の記入方法が異なります。出版社指定の校正記号、PDFコメント、オンラインツールなどの指示に従います。

校了後に誤りを見つけたらどうしますか?

すぐに担当者へ連絡し、該当ページ・内容・影響を伝えます。印刷・配信工程や契約により対応可能な範囲が異なるため、修正可否を確認してください。

著者校正の指示を送る前に、確認点を整える

担当者への質問を整理したい場合は、ゲラそのものを送る前に相談内容をLINEでお知らせください。

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参考情報・確認日

確認日:2026年10月19日。以下は執筆時に確認した一次情報です。制度・応募条件・各社の受付方法やサービス内容は変更されることがあります。実際に応募・契約・刊行する際は、最新の案内を再確認してください。

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